TikTok Shopを伸ばす!アフィリエイト活用完全ガイド

待望のTikTok Shopが、2025年6月についに日本でも展開される見込みです。これに先立ち、今回はTikTok Shop運用において重要な要素のひとつである「アフィリエイトマーケティング」について、仕組みやメリットをわかりやすくご紹介します。
多くの有料マーケティング施策では、企業は「成果が出ることを期待して」あらかじめ広告費を支払う必要があります。たとえクリック課金型の広告であっても、最終的に購入に結びつかないクリックに多額の費用を支払うリスクもあります。
その点、アフィリエイトマーケティングは数少ない例外です。報酬の支払いが実際の売上に連動しているため、適切に運用されたアフィリエイトプログラムはほとんど損失を出しません。また、売上が発生しない場合には、費用がほとんどかからない(もしくは無料)という点も特徴です。
アフィリエイトプログラムは、インフルエンサーマーケティングの「信頼関係の構築」や「ニッチなターゲットへの訴求力」といったメリットを、最小限のリスクで企業が活用できる手段でもあります。さらに、クリエイターにとっても、自身のフォロワーを活かして収益化し、比較的手間のかからない収入源を得ることが可能になります。
ここでは、TikTokアフィリエイトマーケティングの仕組みと、ブランド・クリエイター双方がこの戦略をどのように活用できるのかについて詳しく解説していきます。
アフィリエイトマーケティングとは?
アフィリエイトマーケティングとは、ブランドとクリエイター(またはインフルエンサー)との間で相互利益を目指すパートナーシップモデルのことです。この仕組みでは、クリエイターが自身のフォロワーに対して、SNS・ブログ・メールなどを通じてブランドの商品やサービスを紹介し、そのリンク経由で購入が発生した場合に報酬(コミッション)を受け取る契約が結ばれます。
アフィリエイトマーケティングの仕組み:
1.ブランドが専用のアフィリエイトURLを配布する
各クリエイター(アフィリエイトパートナー)には、専用のアフィリエイトリンクやURLが付与されます。このリンクには、誰の紹介によるものかを判別するための情報が含まれています。場合によっては、割引クーポンコードなどもリンクに添付されます。
2.クリエイターがリンクを通じて商品を紹介する
クリエイターは、SNSアカウントや自身のWebサイト、その他のマーケティングチャネル上にこのリンクを組み込み、フォロワーに対して購入を促します。中には、広告出稿などを活用してより多くのリーチやエンゲージメントを獲得するクリエイターもいます。
3.購入が発生するとブランドが報酬を支払う
ユーザーがクリエイターのリンク経由で商品を購入すると、ブランドは事前に設定したコミッションをクリエイターに支払います。このやり取りは、ブランドとクリエイターの間に入る「アフィリエイトネットワーク」と呼ばれる第三者サービスを通じて行われることもあります。このようなサービスは、両者のマッチングや支払いの管理を効率化する役割を果たします。
TikTokアフィリエイトマーケティングはどう機能するのか?
他のアフィリエイトマーケティングプログラムと同様に、TikTokのアフィリエイトマーケティングも、ブランド認知の向上や特定のターゲット層へのリーチ拡大に役立つ手法です。海外では、TikTokアフィリエイトがマーケティング活動の主要手段のひとつとして広く活用されています。

TikTokでは、動画内に直接クリック可能なリンクを埋め込むことはできませんが、TikTokビジネスアカウントを持つユーザーであれば、プロフィールページにアフィリエイトリンクを設置することが可能です。また、プロフィールから他のリンク掲載に適したSNSへ誘導することで、間接的にトラフィックを流すこともできます。
クリエイターは、専用URLに誘導する内容の動画を投稿したり、キャプションに割引コードを掲載したりして、視聴者をアフィリエイト商品へと誘導することができます。さらに、TikTok広告を活用してリーチを広げ、クリック率やコミッション収益を高める手法も一般的です。
さらに、フォロワーが1万人を超えるユーザーは、TikTokストーリーズにクリック可能なリンクを追加することも可能です。ストーリーズはプロフィール上に表示され、24時間で消える短尺動画形式のコンテンツです。
TikTokでアフィリエイト収益を得る方法
TikTokは圧倒的なユーザー数を誇り、2024年の平均エンゲージメント率は2.63%という高水準を記録しています。そのため、アフィリエイトマーケティングに取り組むクリエイターやブランドにとって、非常に大きなチャンスが存在しています。
魅力的なコンテンツ制作・的確なターゲティング・パフォーマンスの継続的な分析を組み合わせることで、カバンであろうとヘッドホンであろうと、さまざまな商品の収益化が可能です。
また、TikTokのアルゴリズムによるコンテンツ発見機能により、アフィリエイトマーケターはオーガニックで新たなオーディエンスにリーチできる独自のチャンスを手にしています。さらに有料施策としても、TikTokの広告機能は年々拡充されており、ブランドやクリエイターが実験的に取り組む余地も広がっています。
TikTokというプラットフォームの仕組みを理解し、ユーザーの行動傾向や最新トレンドに目を向けることで、リスクを抑えながら大きな成果を狙える可能性が広がっています。
オーガニックトラフィックを活用する
TikTokは月間アクティブユーザー数が15.8億人以上、1人あたりの平均利用時間は1日58.4分という圧倒的な数字を誇り、アフィリエイト商品を幅広く、かつ高いエンゲージメントを持つユーザーに届けることができます。
他のSNSプラットフォームが「ユーザーのつながり」に基づいたコンテンツ表示に依存しているのに対し、TikTokの「For Youページ(おすすめ)」では、ユーザーの視聴履歴や操作に基づいたエンタメ性の高い動画が優先的に表示されます。

このTikTok独自のアルゴリズムにより、数百万人のフォロワーを持つ有名インフルエンサーの動画だけでなく、フォロワーが数百~数千人程度の小規模アカウントの動画であっても、多くのユーザーに届く可能性があるという「平等な拡散環境」が生まれています。これは、規模に関係なく、すべてのクリエイターやブランドにチャンスがあるという点で非常に魅力的です。
とはいえ、TikTokのポテンシャルを活かすには実践的な運用スキルも不可欠です。
縦型動画は最初の数秒で視聴者の興味を引き、すぐに価値を伝えないとスワイプされてしまいます。人気の音源やハッシュタグ、チャレンジ企画を取り入れることで、オーガニックリーチを拡大することができます。
そして、視聴者の注意とトラフィックを集めたあとは、それをアフィリエイト購入につなげるための工夫が重要になります。ここからは、その活用方法をご紹介します:
1.TikTokで戦略的にアフィリエイトURLを配置する
TikTokでアフィリエイト効果を最大化するには、リンクの設置場所を戦略的に工夫することが重要です。 投稿動画のキャプション(説明文)やコメント欄の最上部、そしてプロフィールのリンク欄にアフィリエイトリンクを掲載することで、視聴者を自然に誘導することができます。また、Bitly や TinyURL などのURL短縮サービスを活用すれば、各動画からのクリック率やコンバージョン数を可視化でき、効果測定にも役立ちます。
2.リンクまとめツールを活用する
ブランドは、TikTokクリエイターに対して専用のプロモーションコード(たとえば「Krista20」のようなクーポンコード)を提供し、クリエイターはそのコードを自分の動画内で視聴者に共有します。視聴者がそのコードを使用して商品を購入すると、ブランド側はどのクリエイター経由で売上が発生したかを追跡できるため、それに応じてコミッションを支払うことができます。

このようなプロモーションコードは、動画内にテキストで表示したり、ナレーションで紹介したり、キャプションに記載したり、コメント欄に投稿するなど、さまざまな方法でTikTok動画に自然に組み込むことができます。こうした工夫により、視聴者の購入行動を促しながら、効果的にアフィリエイト成果を測定することが可能になります。

4.マルチプラットフォーム型のファンネルを構築する
TikTokでは、インフィード広告(In-Feed Ads)、トップビュー(TopView)、ブランデッドミッション(Branded Mission)、スパーク広告(Spark Ads)、TikTokプロモート(Promote)など、さまざまな広告フォーマットが提供されており、興味・行動・属性に基づいた高度なターゲティングが可能です。
ただし、TikTokの広告費用は小規模ブランドや個人アフィリエイターにとっては高額となる場合があり、最低出稿費が500ドルから、CPM(1,000回表示あたりの単価)は10ドル以上と、FacebookやInstagramと比べても高めの設定です。限られた予算で運用を考える場合、これは大きな負担となり得ます。
このような背景から、まずはオーガニック投稿によって自然なリーチを拡大し、そこから得た利益を有料広告に再投資する流れが効果的とされています。特に、比較的低コストなインフィード広告や、パフォーマンスの良いオーガニック投稿を再活用できるスパーク広告を活用することで、初期費用を抑えつつ効率的に成果を狙うことができます。
また、TikTokの分析機能(アナリティクス)を活用することで、ターゲット設定やクリエイティブの改善を重ねることができ、広告運用のROI(費用対効果)を継続的に高めていくことが可能です。

セラー向け:TikTokでアフィリエイトマーケティングを提供する方法
他のクリエイターマーケティング施策とは異なり、TikTokで自社のアフィリエイトプログラムを提供することは、初期投資が少なく始めやすい手法です。プログラムの設計や広報、クリエイターへのアプローチといった準備は必要ですが、売上が発生しなければ報酬の支払いも発生しないため、金銭的リスクが非常に低いのが特徴です。
以下に、TikTokアフィリエイトプログラムを販売者として立ち上げるための4つのステップをご紹介します。
1.アフィリエイトオファーの設計
まず、自社商品の中で「どの商品に対してアフィリエイト報酬を支払うか」を決め、支払可能なコミッション率を設定します。利益率や販促戦略に応じて、全商品を対象にすることも、一部の商品(高利益率の商品や注力したいアイテム)に絞ることも可能です。

2. アフィリエイトプログラムの構築
アフィリエイトプログラムを構築するには2つの方法があります:
ネットワークに参加すれば、クリエイターの募集や成果管理の手間を減らせる一方、初期費用や成果に応じた手数料が発生する点には注意が必要です。
自社で運用するか、外部プラットフォームを利用するかは、管理にかけられる時間や予算、目標とする規模感に応じて判断しましょう。
3. アフィリエイトパートナーの募集
アフィリエイトネットワークを利用している場合は、プラットフォーム上でクリエイターを見つけることができます。一方、自社で運用している場合は、自社サイトやSNSで募集告知を行ったり、TikTok上で直接DMを送ったりすることで、パートナー候補とつながる必要があります。
このとき大切なのは、自社のターゲット層と親和性が高く、投稿内容が自社ブランドと相性の良いクリエイターを見つけることです。フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率や平均再生数、投稿の質や頻度、既存の他社コラボ数なども考慮することが重要です。
4. アフィリエイトパートナーの運用管理
パートナーが決まったら、ブランドの世界観や商品情報、プログラムのルールなどを丁寧に共有しましょう。可能であれば商品サンプルや販促素材を提供し、クリエイターが魅力的な動画を制作しやすい環境を整えることも効果的です。アフィリエイターとの協力関係は、単なるリンクの掲載以上に、ブランドのイメージとメッセージを伝える重要なタッチポイントとなります。そのため、コンテンツの品質や投稿の一貫性、ブランドとの自然な相性を重視して運用していくことが、長期的な成果につながります。
TikTokアフィリエイトマーケティングのメリットとデメリット
TikTokは、ブランドやアフィリエイトマーケターにとって多くのメリットを提供する一方で、特有の課題も伴うプラットフォームです。その爆発的な成長と高いユーザーエンゲージメントは前例のない機会をもたらしますが、戦略を立てるうえで注意すべき点もあります。
TikTokアフィリエイトマーケティング戦略を設計する際には、以下のような利点と欠点を考慮しましょう。
【メリット】
【デメリット】
終わりに:TikTok Shopが変える購買体験、その波に備える
東南アジアや欧米で大きな成果を上げてきたTikTok Shopが、2025年6月、いよいよ日本にも展開されます。 この動きは単なる新サービスの登場にとどまらず、「動画視聴から直接購入へ」という新たな購買体験が本格的に国内市場へ浸透する転換点となる可能性を秘めています。
中でもアフィリエイトマーケティングは、TikTokとの相性が非常に高く、限られた予算でも効果を上げやすい手法として注目されています。すでに海外では、企業が自社主導でアフィリエイトプログラムを構築し、TikTok上での販促チャネルとして活用する動きが加速しています。
日本市場においても、TikTokを「見る」だけでなく「売る」ための戦略が求められる今、アフィリエイトを組み込んだ運用設計が、今後の競争優位を左右するポイントになるでしょう。
TikTok Shopやアフィリエイト施策の活用にご興味がある方は、ぜひお気軽に弊社までご相談ください。市場動向から実行支援まで、一貫してサポートいたします。